1997
年制作盤「Introducing」が好評を得ていたオランダの個性的ピアニストの、2003年6月から2005年1月にかけてのライヴ音源をまとめた一
編。編成は、トリオで3曲、ts入り4tetで3曲。演目はスタンダードな名曲と本人の自作が半々ずつ。熱情性を孕んだダイナミックなアクション的フレー
ジングと、クール&スマートな耽美的ロマンティシズム表現、とを細かに交錯させながらスリル充分にリリカルな情景を活写してゆくp者の、振り幅の
大きいストーリーテリングの妙が際立ったライヴならではの生鮮な昂揚内容である。エヴァンス、ハンコック、マッコイらの語法を吸収消化
した緩急自在な文体で、独自の力学的リリシズム世界を濃密に構築してゆく、ような主役pの腰の据わった緊張感溢れるプレイが鋭く冴えつつ、起伏メリハリに
も富んだドラマティックな「躍動的哀愁詩」風の道程がイキイキと続いて行く。後半3曲ではts者が加わり、その、ドスの利いたブルージー(&モー
ダル)なこってりした渋味と醒めたような冷涼な飄遊気分を交差発散する存在感たっぷりのブローイング轟鳴と、p者の適宜クールネスを含んだ軽快なアクロバ
ティカル・アクション技、がレイジーかつスリリングに拮抗バトルを演じてゆく、といった具合で、全編にピリッとスパイスの利いた中々エモーショナルな半硬
質的抒情派路線の逸編に仕上がっている。歯応え充分。
You And The Night And The Music,Dolphin Dance,Nothing
Rhymes on a Waterbike, Round Midnight,
Monk is the man, Dangerous Cats他全6曲収録
Robert Rook(p)Rob Armus(ts)Thomas W. Andersen,
Ernst Glerum(b)Dick Verbeeck(ds)
在庫有り。